昆布酒の作り方について悩んでいる人
「昆布酒ってどうやったら作れるのだろう?一昔前に朝ドラ(ごちそうさん)で話題になってたけど、活用方法があるのだろうか?そもそも安い酒ってどの程度のものを使えばいいのか、その辺のことも一緒に教えてほしい。」
こういった疑問にお答えします!
- ①昆布酒(昆布だし+お酒)の作り方について
- ②日本酒と料理酒の違いについて
- ③昆布酒の活用方法・レシピについて
- 昆布酒の作り方がわかり、作れるようになる
- 安いお酒が、美味しい上等なお酒に変えられる
- 昆布酒が、料理酒として大活躍することがわかる
- 日本酒と料理酒の、そもそもの違いがわかる
- 昆布酒の活用方法や、レシピがわかる=明日から使える
- 昆布酒が、なくてはならないものになる!
この記事を書いている僕は、昆布作業歴が25年ほどで「昆布の生産量日本一」の町である「南茅部地区」に現在も住んでいて、昆布の作業をしつつもサイトを運営しています。
興味があれば、こちらの「こんぶ先生のプロフィール(@konbulog)」もチェックしてみてください。
昆布に関しての素朴な疑問や、不安な方はぜひ記事をご覧ください。
※この記事は読み終わるまで、少々時間がかかりますが、ゼッタイに損しない内容です!深掘りした解説などは、関連記事にてご確認ください。
目次
昆布酒(だし昆布+お酒)の作り方と活用方法について
だいぶ前の話しですが、NHKの朝ドラ「ごちそうさん」で登場した魔法の酒である「昆布酒」の作り方と活用方法について、お伝えしていきたいと思います!
そもそもの活用方法としては、安い酒に昆布を入れて上等なお酒にして飲む、というのが朝ドラでの使われ方でした。
そのアイデアをヒントに、ヒロインが「関西風おすまし」を作るきっかけになったのだとか、、
※引用:朝ドラ『ごちそうさん』に出てきた、「コンブ酒」のすごい実力
日本一の生産量を誇る函館(南茅部)地区で生活しながらも、昆布酒についてはあまり聞いたことがありませんでした。。
ですが、調べれば調べるほど、昆布酒が魅力的なものだとわかり、分量や作り方に関してもまとまったので、記事にしてお伝えいたします!
- ①用意するもの:だし昆布とお酒と保存容器
- ②分量はお酒に対して昆布1~1.5%の割合
- ③昆布を軽く下処理する
- ④あとは冷蔵庫に入れて一晩寝かせるだけ
①用意するものは「だし昆布」「お酒」「保存容器」
- ①だし昆布
- ②お酒(清酒・焼酎)
- ③保存容器(密閉タイプ)
用意するものは、だし昆布とお酒と保存容器の3つです。
この際、お酒の種類は問わないのですが、料理酒ではなく清酒か焼酎がオススメです。
その理由は、料理酒には食塩や酢などを加えて作られているものが多く、あえて雑味を含ませて作られているため、飲む用には適していないからです。
料理酒の安い理由は、非課税であること。飲む用に適さないお酒だからこそ、安く買うことができます。
下記は、国税庁の酒税法第2条の内容を引用した文章です。
※難しい内容なので、マークしている部分だけご参照ください
「アルコール分1度以上の飲料」には、アルコール分1度以上のものでそのまま飲用に供し得るもののほか、水その他の物品を混和してそのアルコール分を薄めて飲料とすることができるもの(飲用に供し得る程度まで水その他の物品を混和したときのアルコール分が1度未満となるものを除く。)又は水その他の物品と併せて飲用に供することができるものを含むものとする。ただし、アルコール事業法(平成12年法律第36号。以下同じ。)第2条《定義》第4項に規定する特定アルコールを精製し又はアルコール分を90度未満に薄めたもので、明らかに飲料以外の用途に供されると認められるもの(当該物品を飲用に供することとしたものを除く。)については飲料に該当しないことに取り扱う。
引用元:第1編 総則|国税庁
つまり、料理酒は飲料以外の用途に使うことが明らかなので、安価(非課税)ではあるが、飲むのには適していない、ということ。
ですので、料理酒を使うのではなく、多少高くても清酒か焼酎を使いましょう!
清酒や焼酎を選ぶ場合は、どれを選んでも間違いありません!
さらにいえば、清酒の中でも一番手頃なもので大丈夫です!
朝ドラの本来の使い方としても、安い酒を美味しい上等なお酒にするために昆布を入れるのですから、安い清酒で十分です!
焼酎に関しても同様ですので、ビッグマンや長次郎(北海道限定店舗であるセイコーマートの焼酎)などの、安価な焼酎で大丈夫です!
今回、こんぶ先生が使用するお酒はコチラ
保存容器に関しては、間口が広くて、密閉できるものであればOKです。
ただし料理酒としても活躍するので、大きすぎず使いやすいサイズ(500mlくらい)の容器がオススメです。
下記の商品は間口が広く、かつ液体の取り出し口が小さくなっているため、非常に使いやすく便利です。
②分量の目安はお酒に対し1~1.5%のだし昆布を使う
- 5センチ角に切っただし昆布:10~15g
お酒500mlなら、昆布は5~7.5g
分量の目安は、お酒の量に対し、1~1.5%のだし昆布を入れます!
ですので、500mlのお酒であれば、昆布は5~7.5g入れるということ。
この分量は、だし汁を作る際もほとんど一緒ですので、ぜひ覚えておきましょう!
この時のポイントとしては、だし昆布のサイズを5センチ角に切って使用すること。
そうすると、容器に入れやすくもなりますし、昆布酒を使い終わったあとに、残った昆布を炙って食べるなど、活用できるからです。
ちなみに、私が愛用しているだし昆布はこちら!
③昆布は軽く下処理する
- ①フキンかペーパーを用意する
- ②水に濡らし、カタく絞る
- ③昆布をサッと軽く拭く(ホコリ除去)
※強く拭くとうま味が取れてしまうため。
昆布を使用する前は、必ず下処理する必要があります。
なぜなら昆布は、出荷するまでの過程で、必ずホコリや砂などが付着してしまうからです。
ですので、使用する前にホコリや砂などの付着物を取り除く必要があります。
方法はカンタンで、カタく絞ったフキンやペーパーでサっと軽く拭くだけ。
ゴシゴシと拭いてしまうと、うま味成分も一緒にとれてしまうので気をつけましょう。
④あとは冷蔵庫に入れて一晩寝かせるだけ
下処理済みのだし昆布とお酒を、一つの容器に入れたら、あとは冷蔵庫にて一晩寝かせるだけです。
目安としては一晩(6時間)で、ある程度のうま味成分は抽出できます。
一晩(6時間)である理由は、昆布のだし汁を水出しで作る時間が一晩(6時間)だからです!
もちろん、さらに寝かせておいても問題ありませんし、そもそもお酒なので結構日持ちします!
常温で2年ほど日持ちするとの情報もあるほどです!
とはいえ、2年も使わずに寝かせることはあまりないとは思いますので、だいたい1ヶ月ほどで使い切るくらいで作りましょう!
※昆布酒を作る際に密閉容器にいれる理由として
昆布酒は、買った酒ビンのまま作ることも可能です。ですが正直オススメしません!
その理由は、酒ビンのままだと重くて使いにくいうえ、そもそもだし昆布が入らないからです。
入ったとしても取り出せなくなり、残ってしまった昆布はムダになります。お酒に浸かった昆布は、炙って食べると最高のお酒のツマミになります。
ですので、昆布酒を使い切った後に、残った昆布を取り出せる間口の広い密閉容器にて保存・保管しましょう!
日本酒と料理酒の違いについて
日本酒と料理酒の違いについても、説明いたします。
- ①飲料用ではない(法律的に)
- ②飲料用でないため酒税がかからない
- ③雑味をあえて残している
- ④食塩や酢などを加えているものが多い
- ①飲料用として作られている
- ②飲料用のため酒税がかかる
- ③雑味を抑え、美味しさを追求している
- ④食塩や酢などは入っていない
昆布酒として、料理酒を選ぶメリットは、値段が安いこと。安い理由は、料理酒には酒税が課せられていないからであり、嗜好品として楽しむものではないことが理由です。
そもそも、清酒を廃棄する際に、塩などを入れ、飲めなくすること(不可飲処置)で、課税対象から外れます。
つまり、料理酒は飲みにくい・飲めないように味付けされたお酒、ということになります。※酒税法の観点から見た場合です
その感覚は正しくて、料理酒には食塩が含まれているものが多いのです。
ですので、昆布酒を作る場合は、料理酒ではなく飲料用に適した清酒・焼酎を使うことをオススメします!
昆布酒(だし昆布+お酒)の活用方法・レシピについて
昆布酒を作ったら、そのまま飲むのもいいですし、料理酒の代わりに使うのもオススメです。
お酒を料理に使う理由がよくわかっていないという人のために、お酒を料理に使うメリットについてお伝えします。
お酒を料理に使うメリットは、大きく分けて9個あります!
- ①生臭さを消す(魚や肉などのニオイとり)
- ②煮崩れしにくくなる
- ③素材をやわらかくする(仕上がりが早くなる)
- ④素材の風味を引き出す(豊かになる
- ⑤コクと旨味を与える。(加える)
- ⑥保存性を高める
- ⑦焼き色をよくする
- ⑧良い香りをつける
- ⑨甘味をつける
①〜③の項目は、お酒を使うメリットの代表格ともいえます。
昆布酒には、昆布の旨み成分である「グルタミン酸」が含まれているため、ただのお酒よりもさらに美味しい料理になります!
そんな昆布酒の活用方法・レシピについてもご紹介します!
そのまま飲む
別の容器に作り置きしている場合であれば、ぜひ昆布酒と元のお酒を飲み比べてみてください。
明らかに角がとれ、まろやかになったことが実感できるはずです。
昆布はうま味成分だけでなく、味をまろやかにしてくれる成分や、とろみなどの成分も含まれているため、お酒の味をホッと一息つけるような味わいに変えてくれます。
大酒飲みの人なら、たくさん飲みススめてしまうのは無理ありません。
作り方は、ただグラスに入れるだけなので、解説不要ですね。
※飲酒はほどほどに、節度を持って楽しみましょう。
飲料用として昆布酒を作る場合は、だし昆布の下処理をしたら、軽くフライパンなどで炙りましょう。そうするとさらに香りが引き立ち、香ばしさまで加えることができます!
熱燗(あつかん)にして飲む
熱燗(あつかん)にして飲む、は昆布酒の第2の定番といって過言ではありません!
11月〜4月にかけては、特に寒く、熱燗が恋しくなる季節となります。
昆布酒を温めるうちに、ほんのりと昆布独特の良い香りが漂います。
それだけでも生唾(なまつば)ものですが、一緒に食べる料理はより格別なものとなります。
ついつい飲みすぎてしまわないように、節度を持って楽しみましょう。
飲料用として昆布酒を作る場合は、だし昆布の下処理をしたら、軽くフライパンなどで炙りましょう。そうするとさらに香りが引き立ち、香ばしさまで加えることができます!
炊飯前のお米に入れる
- お米の水加減は普段のままでOK
- そこに大さじ1杯の昆布酒を入れるだけ
昆布酒は、炊飯前のお米に入れるだけで、炊きたてのご飯の香りや旨みが格段にアップします。
見た目もツヤツヤになり、より食欲をそそる香りが漂います。
湯気が出始めると、アルコールの匂いがしてくるのですが、炊き上がったあとはアルコール分は蒸発しますので、お酒に弱い方でもご安心ください。
いつものご飯に昆布の風味とうま味、さらには香りまでつくので、ご飯がもっと美味しくなります。
料理酒の代わりに入れる
普段の料理で使う料理酒の代わりに、昆布酒を活用してください。
料理酒には食塩や酢などが含まれているため、味の違いに慣れるまでは使いにくいかもしれませんが、間違いなく料理の質を高めてくれます。
今まで加わることのなかった昆布の旨み成分である「グルタミン酸」が加わるのですから、当然です。
入れるタイミングとしては、お酒なので調味料の「さしすせそ」よりも先に入れましょう!
- さ:砂糖(さとう)
- し:塩(しお)
- す:お酢(おす)
- せ:醤油(せうゆ)
- そ:味噌(みそ)
お吸い物や味噌汁に入れる
- 水の量はそのままでOK
- そこに大さじ1杯の昆布酒を入れるだけ
お吸い物や、普段つくる味噌汁にも活用できます!
その際は、先ほどの「さしすせそ」よりも先に入れること!
お吸い物であれば、塩や醤油よりも前に入れること。
お味噌汁であれば、お味噌よりも前に入れること。
調味料より前に入れることで、昆布酒のアルコール分は飛ばして、旨みだけが残ります。
カンタンなので、ぜひ試してみてください!
鍋料理・しゃぶしゃぶには1カップ入れる
- 水の量はそのままでOK
- そこに1カップ分(200ml)の昆布酒を入れるだけ
秋から春にかけての、寒い季節にぴったりの料理といえば、鍋(なべ)料理です!
鍋料理を料亭の味に変える方法として、お酒を大量に入れて作ることが知られています。
ただしアルコール分を残すのではなく、アルコール分はしっかりと飛ばした上で提供されるため、アルコール臭いという印象はないはずです。
昆布酒を入れるタイミングは、こちらも調味料で味付けする前に入れること。
味噌ベースの鍋であれば、味噌を入れる前に昆布酒をいれることで、海鮮や肉類の臭みをアルコールととも、消してくれます。
さらに、旨みまでアップするならやらない理由はありません!!
ぜひ試してみて、1味も2味も違うナベ料理を堪能しましょう!
まとめ:昆布酒(だし昆布+お酒)は、飲むだけでなく、万能調味料としても役立つ!
- ①だし昆布
- ②お酒(清酒・焼酎)
- ③保存容器(密閉タイプ)
※容器は間口の広いものがよい
昆布酒を作るのに重宝する容器
昆布生産量日本一の町(函館市の南茅部地区)の昆布
- 5センチ角に切っただし昆布:10~15g
お酒500mlなら、昆布は5~7.5g
- ①フキンかペーパーを用意する
- ②水に濡らし、カタく絞る
- ③昆布をサッと軽く拭く(ホコリ除去)
※強く拭くとうま味が取れてしまうため。
- ①用意するもの:だし昆布とお酒と保存容器
- ②分量はお酒に対して昆布1~1.5%の割合
- ③昆布を軽く下処理する
- ④あとは冷蔵庫に入れて寝かせるだけ
- そもそも昆布が入らない(間口が狭いため)
- 使い切った際に昆布を取り出せない
- ビンが重くて使いづらい
- 飲料用であるか、ないか
- 雑味を抑えているか、含めているか
- 酒税がかかるか、かからないか
- 食塩や酢などを含まないか、含むか
- ①そのまま飲む
- ②熱燗(あつかん)にして飲む
- ③炊飯前のお米に入れる
- ④料理酒の代わりに入れる
- ⑤お吸い物や味噌汁
- ⑥鍋料理・しゃぶしゃぶ
①〜⑤は大さじ1杯入れる
⑥は1カップ(200ml)入れる
※入れる際は調味料の前にいれ、アルコール分は飛ばす。
さいごに:飲酒についての注意書き
未成年の飲酒は法律で固く禁じられております。
お酒は二十歳になってから。
なお、成人の飲酒後の車の運転は法律で固く禁じられているため、飲んだ後はぜったいに運転してはいけません。
飲酒をしていることを知りつつ、その者の運転する車両に同乗することも、禁止されています。さらに車両を運転すると知りつつも、そのものに飲酒を勧めてはいけません。
未成年の飲酒・ドライバーの飲酒運転は絶対やめましょう。