上品で美味しい昆布だしの取り方について悩んでいる人
「美味しいだし汁の作り方がわからない。沸騰させてよいのか、させない方がよいのか、わからない。沸騰前に取り出すとしたら、その理由や根拠についても知りたい。火をかける以外にも、だし汁の作り方があるなら知りたい!」
こういった疑問にお答えします!
- ①上品で美味しい昆布だし取り方について
- ②昆布出汁(だし)をとるのに沸騰させてはいけない理由
- ③水出しでの昆布だしの取り方について
- 上品で美味しい昆布だしの取り方が理解できる
- だしの作り方:①水出し・②湯出しの方法がわかる
- 昆布は沸騰直前に取り出すものだとわかる
- そのまま食す場合は、取り出す必要はないことがわかる
- 沸騰させることのデメリットがわかる
こんにちは!こんぶ先生です。
この記事を書いている僕は、昆布作業歴が25年ほどで「昆布の生産量日本一」の町である「南茅部地区」に現住で、昆布の作業をしつつもサイトを運営しています。います。
興味があれば、こちらの「こんぶ先生のプロフィール(@konbulog)」もチェックしてみてください。
昆布に関しての素朴な疑問や、不安な方はぜひ記事をご覧ください。
※記事は3分くらいで読み終わります。深掘りした解説などは、関連記事にてご確認ください。
目次
昆布だしの取り方について【上品で美味しいおだしは沸騰前に取り出すのがポイント】
上品で美味しい昆布だしの取り方は、2通りあります!
- ①熱を加えずに「水出し(みずだし)」でだしをとる
- ②熱を加えて「湯出し(ゆだし)」でだしをとる
①水出し:火を使わない、だし汁の作り方
※上記は、だし昆布とかつお節の合わせだしの水出しです。
昆布は火を使わずに、「水出し」でだし汁を作ることができます。
水出しとはその名の通り、水の中に昆布を入れて、あとは放置するだけでダシを取るという方法です。
- ①カタく絞ったフキンやペーパーで昆布をサッと吹く
- ②水1リットルに対して昆布は10g入れる(最初のうちは計りましょう)
- ③ナベではなく密閉容器を使うのがベスト
- ④そのまま冷蔵庫にて、10時間〜12時間放置する
これで水出しでダシをとる手順は終了です。
水出しに使う容器としては、ジップロックやだしポットがめちゃくちゃ便利です。
最初の行程である「①カタく絞ったフキンでサッと吹く」ことの必要性については、下記記事にて詳しく書いておりますので、ぜひ一度読んでみてください。
さらに、がっちりダシをとりたい場合は、もっと時間を伸ばしてもよいです。
そのかわり、気温の変化により悪くなる可能性もあるため、長時間水出しする場合は冷蔵庫にて水出しするようにしてください。
昆布から出たダシは、昆布水として飲料用にすることも可能ですし、そのダシ汁を味噌汁に使うことももちろん可能です。
②湯出し(煮出し):火を使う、だし汁の作り方
次に火を使って「湯出し(煮出し)」する方法について、お伝えしていきます。
水の状態から昆布を入れ、30分以上寝かせたのちに、火を加え沸騰する前に取り出すのがポイントとなります。
- ①カタく絞ったフキンやペーパーで昆布をサッと吹く
- ②水1リットルに対して昆布は10g入れる
- ③火にかける前に30分以上寝かせる
- ④30分以上放置したら、中火にかけ沸騰する前に取り出す
取り出す際は、めちゃくちゃ熱いため、火傷(やけど)には気をつけて取り出してください。
こちらも最初の行程である「①カタく絞ったフキンでサッと吹く」ことの必要性については、下記記事を参考にしてください。
水出しとは違って、火にかける前に昆布を水に浸しておく必要があるということがポイントとなります。
この行程を飛ばしてしまうと、十分なうま味が抽出されず、せっかくの昆布だしが勿体無いです。
最低でも30分は寝かせることで、よいダシがとれます!
あとは火にかけ、沸騰前に取り出すのがポイントです。
- ①火にかける前に30分以上寝かせること
- ②沸騰直前に取り出すこと
昆布だしを取る際に沸騰させてはいけない理由
昆布で出汁(だし)をとる場合は、沸騰させてはいけません。
その理由は、昆布のねばり成分である「アルギン酸」が溶け出してしまい、上質な風味である「グルタミン酸」が損なわれてしまうからです。
簡単にいうと、沸騰しつづけると美味しくない成分まで出てきてしまう、ということです。
水に溶けやすい成分である「グルタミン酸」に対して、「アルギン酸」は溶けにくい成分(細胞が破壊されることで溶け出す)です。
つまり、熱を加え続けることで細胞が破壊され、アルギン酸が溶け出してくる、という構造になっているということです。
こう聞くと、アルギン酸が悪者のように聞こえてしまいますが、あくまで風味やうま味という点だけです。栄養の面で言うと悪者ではなく、むしろヒーロー級の活躍をするため、沸騰させたとしても大丈夫です。
詳しくは、こちらの「昆布は栄養豊富な万能食品である」にて書いておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
とはいえ例外もあります。それは「だし汁だけでなく昆布も一緒に食べる!」という場合です。
煮物として使うなら、そのまま煮込むのもあり
だし汁を作るだけでなく、そのまま食べる!という場合であれば、そのまま煮込みましょう!
そうすることで、昆布が柔らかくなり、食べやすくなります。
だし汁の面だけで考えると、風味は損なわれてしまいますが、その分血圧を下げる成分であるアルギン酸が摂取できるため、ダイエットなどにも効果があります!
そもそも昆布は食用としても栄養価が高いことで知られており、ダシをとっても捨てずに料理するべき食材です。
函館(南茅部)産の真昆布であれば、ミネラルはもちろん「カリウム・ヨウ素・葉酸」などの栄養素も入っているため、食べない理由のない食材といえます。
もちろん食べ過ぎはよくありませんが、昆布であれば食べすぎる方法を考えることの方が難しいため、程よく食べるのに適した食材であるともいえます。
まとめ:昆布だしの取り方は、水出し・湯出しともに水の状態で寝かせることで、うま味を引き出すポイントとなる
まとめとして
昆布だしの取り方は2つ
- ①水出し
- ②湯出し(煮出し)
必要な分量について(水に対し1%の昆布を使う)
- 水1㍑
- 昆布10g
- ①カタく絞ったフキンやペーパーで昆布をサッと吹く
- ②ナベではなく密閉容器を使うのがベスト
- ③そのまま冷蔵庫にて、10時間〜12時間放置する
あると便利なアイテム
- ①カタく絞ったフキンやペーパーで昆布をサッと吹く
- ②火にかける前に30分以上寝かせる
- ③中火にかけ、沸騰する直前に昆布を取り出す
昆布だしを取る際に沸騰させてはいけない理由
風味やうま味が損なわれてしまうから。
※煮物として食べるなら、そのまま煮込むべし!
上品で美味しい昆布だしの取り方については、以上です。
香り良し、味良しのダシライフをぜひ満喫しましょう!
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