真昆布の天然モノと養殖モノの違いについて悩んでいる人
「天然モノの昆布と養殖モノの昆布ってどう違うの?やっぱり天然モノの方が良い商品なの?生産している人から直接聞きたい。そして用途についても違いがあるなら知りたい。」
こういった疑問にお答えします!
- ①真昆布の天然物について
- ②真昆布の養殖物について
- ③それぞれの真昆布のメリット・デメリットについて
- ①天然物と養殖物の真昆布の違いがわかる
- ②生産量・価格の差がわかる
- ③養殖物の魅力がわかる
こんにちは!こんぶ先生です。
この記事を書いている僕は、昆布作業歴が25年ほどで「昆布の生産量日本一」の町である「函館(南茅部地区)」に現住で、昆布の作業をしつつもサイトを運営しています。
興味があれば、こちらの「こんぶ先生のプロフィール(@konbulog)」もチェックしてみてください。
昆布に関しての素朴な疑問や、不安な方はぜひ記事をご覧ください。
※記事は2分くらいで読み終わります。深掘りした解説などは、関連記事にてご確認ください。
目次
真昆布の天然物について
天然と聞くだけでも、稀少価値が高いというイメージがついてきます。
天然モノの真昆布というのは、人の手を加えずに自然環境のみで育った真昆布のことです。
天然物の真昆布のデメリット
- 自然環境に大きく左右されるため安定供給できない
- 生産量が少ないため、価格は高い
- そもそも手に入りにくい
天候に大きく左右されるため、悪天候が続けば水揚げに大きな影響が出ます。最悪の場合、その年の水揚げがゼロというケースもあります。
素晴らしい昆布とはいえ、欲しくても手に入らないのであれば、どうしようもありませんよね。
ここ数年、天然真昆布の出荷量は激減しており、その地区で1〜2回しか、採集できない年が続いております。天然真昆布自体が育っていない、という状況のため、早急な対策が必要と考えられています。
さらには、水揚げが少ないと価格も上がるため、さらに手に入れにくい状況となります。
天然物の真昆布のメリット
- 分厚いため、より濃厚なダシが出る
- 天然のため、稀少価値が高い
- 天然昆布を主食としたウニやナマコが育つ
自然環境で伸び伸びと成長するため、身入りがよく分厚いのが特徴です!
濃厚なダシが出る、かつ身は分厚い、という文句のつけどころの無い、素晴らしい昆布といえます!
さらに、エゾバフンウニやムラサキウニ、ナマコなどの高級食材が育つために、欠かせない資源でもあるのです。
真昆布の養殖物について
養殖モノと聞くと、安定して生産でき、比較的手に入れやすいイメージがあります。
水揚げ量日本一を誇る、南茅部地区の真昆布ですが、そのほとんどの割合を占めているのが、この養殖モノの真昆布です。
養殖モノの真昆布というのは、自然環境だけでなく、昆布のタネ糸を綱(つな)につけ、人工的に育てた昆布のことです。
養殖モノの真昆布のデメリット
- 間引きなどの手入れが必要になる
- 昆布を主食としたコケムシなどが付着する
- 同じ真昆布でも水揚げ時期によって用途がかわる
間引き(まびき)というのは、成長の早い昆布を残して、成長の遅い昆布を切り落とすことで、成長の早い昆布をさらに成長させるために必要な作業のことです。
とはいえ間引かれた昆布は、成長が遅いからといって捨ててしまうのではなく、おでんの具に入る昆布に適していたり、なべ用の具材として使われる昆布となります。
養殖モノの昆布の1番のデメリットといえば、天然モノの昆布にはあまり付着しない、コケムシと呼ばれる生物が付着してきます。
ですが、商品になる前にしっかりと除去しているため、直接口に入ることはありませんのでご安心ください!
養殖昆布の水揚げのピークは7〜8月なのですが、そのよりも以前に間引かれた昆布は柔らかいため、ナベやおでんの具として重宝します。昆布と一言で言ってしまうと、「だし用のみ」と認識されることもあるため、当記事をご活用いただき、理解を深めていただければ嬉しいです。
養殖物の真昆布のメリット
- 生産量が多いため、比較的手に入りやすい
- 天然モノと比べて、価格は安い
- 天然モノに負けないくらいの濃厚ダシがとれる
一番のメリットとしては、悪天候にもあまり左右されず、安定して生産・供給できます。(※大型台風の場合は多少影響あり)
大量生産できるため、価格も安定しており、比較的手に入りやすいのも特徴です。
ダシに関しても、濃厚なダシが取れ、料亭などでも使用され、高級昆布として愛されています。
ダシ用だけでなく、おでんの具などに使える柔らかい昆布にもなります。(間引いた昆布)
養殖と聞くと、天然よりも下なイメージを持ってしまいがちです。
ですが、価格が高すぎない・手に入りやすい上に多用途にも使えると考えると、重宝できるモノだと気づくはずです。
ぜひ正しい知識を深めて、昆布を活用していきましょう。
まとめ:真昆布は、養殖物も天然物どちらも優れものです。
- 自然環境に大きく左右されるため安定供給できない
- 生産量が少ないため、価格は高い
- そもそも手に入りにくい
- 分厚いため、より濃厚なダシが出る
- 天然のため、稀少価値が高い
- 天然昆布を主食としたウニやナマコが育つ
- 間引きなどの手入れが必要になる
- 昆布を主食としたコケムシなどが付着する
- 同じ真昆布でも水揚げ時期によって用途がかわる
- 生産量が多いため、比較的手に入りやすい
- 天然モノと比べて、価格は安い
- 天然モノに負けないくらいの濃厚ダシがとれる
北海道産の真昆布の「天然物」と「養殖物」の違いについて、は以上です。
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