干ししいたけのだし汁の取り方に悩んでいる人
「どうやったら美味しいダシが取れるのか?干ししいたけに種類があるなら、ザックリ知りたい。できるだけ簡単な方法で、だしの取り方を教えてほしい!」
こういった疑問にお答えします!
- ①干ししいたけのだし汁の取り方について
- ②干ししいたけの種類とうま味成分について
- ③だし汁の正しい使用方法について
- ①干ししいたけを使ったダシの取り方が理解できる
- ②干ししいたけの種類が理解できる
- ③分量・手順が理解できる
- ④だし汁の正しい使用方法が理解できる
- ⑤残った干ししいたけの保存方法が理解できる
この記事を書いている僕は、昆布作業歴が25年ほどで「昆布の生産量日本一」の町である「南茅部地区」に現在も住んでいて、昆布の作業をしつつもサイトを運営しています。
昆布としいたけに共通点はないように思われがちですが、同じ乾物であり、かつダシが出る&昆布との相性がバツグンな食材なので、親友といっても過言ではありませんw
今回は干ししいたけのだしの取り方ということで、専門外ではありますがこちらの文献を活用して、その方法についてご紹介させていただきます。
興味があれば、こちらの「こんぶ先生のプロフィール(@konbulog)」もチェックしてみてください。
干ししいたけに関しての素朴な疑問や、不安な方はぜひ記事をご覧ください。
※記事は7分くらいで読み終わります。深掘りした解説などは、関連記事にてご確認ください。
目次
干ししいたけのだし汁の作り方について
干ししいたけのだしの取り方は、基本的には冷蔵庫内で水に浸けおきするだけです。
ただし時間の目安としては、10時間以上浸けておくのが理想です。
もっと時間に余裕があるのであれば、24時間ほど浸けておくことで、さらにダシが出るのですが、今回は10時間で進めていきます。
分量の目安としては、水に対し、3%の干ししいたけを使います。つまり水1㍑であれば、30グラム使用するということ。
- ①干し椎茸:30グラム
- ②水:1㍑
干ししいたけは、下処理として水に入れる前にカタく絞ったフキンやペーパーで拭く必要があります。
①冷蔵庫で1晩以上浸けおきする(10時間以上)
拭き終わったら、冷蔵庫に入るサイズのタッパーやだしポット・ボウルに入れます。
最初のポイントとしては、干ししいたけが浮かないように水をヒタヒタになるまで入れること。
ボウルの場合であれば、水の表面をラップでおおい、しいたけが浮かないようにすること。
つまりは、干ししいたけ全体が水に浸るようにする、ということです。
浸けおき時間の目安としては、だいたい10時間です。
なぜ10時間も浸けおきする必要があるかというと、時間が短いとしいたけの魅力である香りやうま味が出きらないからです。
時間が短いだけで、香りの面でも明らかに違ってくるため、だしをとる際は長すぎるくらい浸けおきしましょう。(24時間も可)
そして2つ目のポイントとして、必ず冷蔵庫にて浸けおきすること。
その理由は、温度が10~40度だと、干ししいたけ特有のうま味成分であるグアニル酸が出てくるだけでなく、別の酵素が出てきて、グアニル酸を破壊してしまうからです。
つまり、常温での浸けおきは美味しさが半減してしまう、ということです。
ですので、干ししいたけのだしを抽出する際は必ず冷蔵庫で浸けおきしましょう。
②浸けおきがおわったら、しいたけは取り出す
十分に浸けおきしたら、戻って大きくなったシイタケは取り出します。
同じ料理に使うでもいいですし、一緒の料理に活用するでもOKです。
③調理する時に火を入れ、アクを取り除く
しいたけのだし汁は、調理する時にはじめて火を入れるようにします。
その理由は、温度が上がることでグアニル酸や酵素などが出てくるため、火を入れてからだし汁を保存してしまうと、うま味や風味を失ってしまうからです。
ですので、まだ使わないという状況であれば、冷蔵庫でそのまま保存しましょう。
いざ使うタイミングになったら、火にかけアクを取り除く作業が必要となります。
火のかけ方としては、強火にかけ、一度沸騰させましょう。
沸騰したら弱火にし、アクを取り除きつつ、出なくなったら火を止めます。
アクを取り除いたら、ざるにキッチンペーパーを敷いてこします。
この際の注意ポイントとして、ヤケドに注意することのみです。
かつお節の場合は、そこから絞り出してしまうと苦味やクサ味などの雑味がでるので、やってはいけませんが、しいたけの場合はそうではありませんので、絞っても大丈夫です。
干ししいたけを使っただしを取る方法は以上となります!
干ししいたけの種類とうま味成分について
干ししいたけにはいくつか種類があります。種類によって、香りが強く肉厚なものがあったり、香りはそれほど強くなく、上品な味がでるものもあります。
- ①冬茹(どんこ)
- ②香信(こうしん)
- ③スライス干ししいたけ
※細かく分けるとかなりの種類がありますが、大きく分けて3種類に絞りました。
①冬茹(どんこ)の特徴と適した使用方法
冬茹(どんこ)とは、晩冬から初春にかけて収穫されるしいたけで、カサが7分開きにならないうちに採取されます。そのためカサは肉厚で歯ごたえがあり、色も味も強いダシがとれるのが特徴です。
冬茹(どんこ)にも種類があり、天白冬茹(てんぱくどんこ)や花冬茹(はなどんこ)などの高級品があります。
香りが高いため、香りを存分に使いたい料理に最適
- ①すき焼き
- ②おでんなど
②香信(こうしん)の特徴と適した使用方法
香信(こうしん)とは、春と秋の温度も湿度も高い時期に、短期間で生長したもので、カサは開いており、表面はなめらかでカサの肉は薄い。色も薄めで上品な味のだしがとれるので、薄味の料理に向いています。
そのほかにも、冬茹(どんこ)のカサが開ききったものも、香信(こうしん)と呼ばれることもあるといった情報もあります。
冬茹ほど香りは高くないため、薄味の料理に最適
- ①お吸い物
- ②お粥(おかゆ)など
③スライス干ししいたけの特徴と適した使用方法
スライス干ししいたけの特徴として、種類はそれぞれですが、水に戻りやすいという特徴があります。その分、素材を生かした料理に適しているといえます。
ですが、ダシをとるという意味で考えると、冬茹(どんこ)や香信(こうしん)には歯が立ちません。
スライスしている分、水に戻りやすく濃い色のだしが出るのですが、その分香りやうま味が逃げてしまっているため、濃いだしを楽しみたい場合は、冬茹(どんこ)や香信(こうしん)を使用しましょう。
水に戻しやすいが香りは弱いため素材を生かした料理に最適
- ①煮物
- ②ひじき・キンピラなど
干ししいたけのうま味成分について
干ししいたけには、うま味成分である「グアニル酸(核酸の一種)」が含まれています。
このグアニル酸というのは、三大うま味成分の一つであり、グアニル酸のほかには「昆布に含まれるグルタミン酸(アミノ酸の一種)」と「かつお節に含まれるイノシン酸(核酸の一種)」が3大うま味成分と呼ばれています。
生しいたけには、グアニル酸はあまり含まれておらず、乾燥させることで、栄養成分が凝縮されて栄養価が高まり、だしに使うと独特の香りとうま味が引き出されます。
栄養の面でも、血液をサラサラにする成分や、免疫力を高める効果があると期待されている成分もたっぷりと含まれています。
干ししいたけのだし汁の正しい使用方法について
調理する時にはじめて火を入れる
干ししいたけで取ったダシは、調理する時にはじめて火を入れます。
調理に使わない場合は、間違っても火を入れてから、保存してはいけません。
その理由は、だしの温度が上がることで、うま味成分であるグアニル酸や別の酵素が出てきて、グアニル酸を壊してしまうからです。
つまり、うま味成分を失ってしまうということ。
ですので、抽出はあくまで水出しのみであり、冷蔵庫内で行うという基本を忘れないでください。
だし汁は熱を加えずに冷蔵保存する
干ししいたけから抽出しただしは、抽出した状態のまま、冷蔵庫にて保管します。
今すぐ使わないのであれば、冷蔵庫の中で保管を続けてください。
- 3日程度
- 冷蔵庫にて保存する
- 冷凍するなら約1ヶ月
※注:違和感を感じたら捨てること
余った干ししいたけの保存方法について
開封済みの干ししいたけの保存方法については、下記記事にて書いておりますので、こちらをご参照ください。
まとめ:干ししいたけのだし汁の作り方は、冷蔵庫にて10時間以上寝かすだけ
まとめとして
分量は水に対し3%の干ししいたけを使う。
濃いダシを取りたいなら「冬茹(どんこ)」を使うこと。
上品なダシを取りたいなら「香信(こうしん)」を使うこと。
- ①水に入れる前に、カタく絞ったフキンなどで軽く拭くこと
- ②水に入れたら、しいたけが浮かないようにすること
- ③抽出時間は10時間以上がオススメ!
- ④使用する分だけ火にかけることで、うま味成分が保たれる
- 3日程度
- 冷蔵庫にて保存する
- 冷凍するなら約1ヶ月
※注:違和感を感じたら捨てること
開封済みの干ししいたけの保存方法については、下記記事をご参照ください。
干ししいたけを使ってだしを取る方法については以上です。
香り良し・味良しの楽しいダシライフをぜひ満喫しましょう!