いりこと煮干しの違いについて悩んでいる人
「いりこと煮干しって違うのだろうか?もし違いがあるなら知りたい。それぞれの種類の特徴や、合う料理についても知りたい。あわせて煮干しの見分け方についても教えてほしい。」
こういった疑問にお答えします!
- ①いりこと煮干しに違いについて
- ②煮干しの種類について
- ③煮干しの選び方のポイントについて
- いりこと煮干しの違いが理解できる
- 言葉の使われ方としては同じものである、と理解できる
- いりこも煮干しの一種で、高品質の煮干しのことであると理解できる
- そのほかの煮干しの種類について理解できる
- 煮干しの選び方のポイントが理解できる
この記事を書いている僕は、昆布作業歴が25年ほどで「昆布の生産量日本一」の町である「南茅部地区」に現在も住んでいて、昆布の作業をしつつもサイトを運営しています。
昆布といりこ(煮干し)に共通点はないように思われがちですが、同じ乾物であり、かつダシが出る&昆布との相性がバツグンな食材なので、親友といっても過言ではありません!
興味があれば、こちらの「こんぶ先生のプロフィール(@konbulog)」もチェックしてみてください。
昆布に関しての素朴な疑問や、不安な方はぜひ記事をご覧ください。
※記事は5分くらいで読み終わります。深掘りした解説などは、関連記事にてご確認ください。
目次
いりこと煮干しに違いについて
いりこと煮干しに違いはあるのか?という疑問の答えは、総称として考えると「違いはありません!」というのが答えです。
その理由は、西日本で煮干しの総称のことを「いりこ」と呼び、東日本で煮干し(いりこ含む)の総称が「煮干し」と呼ばれているからです。
ちなみに、こんぶ先生が住む北海道の函館(南茅部)地区では、「煮干し」が総称であり、「いりこ」という言葉を聞いたことがない、という人もいます。
つまり、地域によっては「いりこ」と呼び、また別の地域では「煮干し」と呼び、地域によって呼び名が変わるということ。
ですので、いりこと煮干しの違いは、総称としては違いはナシ!ということを理解しておきましょう。
とはいえ、「総称としては、、」という言い方が引っかかりますよね?
厳密に言えば、これが「いりこ」だよ、というものもあります!
「いりこ」の名前がついた商品について
いりこと呼ばれている商品は、基本的には「カタクチイワシ」を使用しています。カタクチイワシなどのイワシ類は鮮度が落ちるのが早く、鮮度の良いものだけを厳選して煮て干したものが「いりこ」という名で商品化しています。
主な産地としては香川県が有名で、特に観音寺市の伊吹島のいりこは「伊吹いりこ」という名称でブランド化されています。
伊吹島のいりこの特徴として、漁獲してすぐに加工できるため、特に品質の高いいりこが作れるです。
さらには、漁獲から加工までを漁師たちが一貫して行なっているため、鮮度が落ちる前に加工できる、という最大の特徴があります。
いりこにはサイズによって呼び名が変わり、「大羽(おおば)」「中羽(ちゅうば)」「小羽(こば)」「かえし」の4種類に分けられます。
いりこの詳しい種類と特徴については、下記記事をご参照ください。
いりこの種類と特徴について【大羽・中羽・小羽・かえしで用途が違います】
※上記のいりこは、讃岐うどんのだし用として活用される、最強の煮干しといえます。
煮干しの種類と特徴について
いりこを含む、煮干しに種類については、大きく分けて4種類に分けられます。
- ①平子煮干し(マイワシの煮干し)
- ②うるめ煮干し(ウルメイワシの煮干し)
- ③かたくち煮干し(カタクチイワシの煮干し)
- ④トビウオの煮干し(通称アゴ)
平子煮干し(マイワシの煮干し)の特徴について
平子煮干しは、マイワシを原料にした煮干しです
マイワシは現在不漁のため、平子煮干しの生産量も減っているのが現状です。
平子煮干しの特徴は、かたくち煮干しに比べると、クセがなく、あっさりめのだし汁がとれます。
- 味噌汁
- うどんのだし汁
- そばのだし汁
うるめ煮干し(ウルメイワシ)の特徴について
うるめ煮干しは、ウルメイワシを原料にした煮干しです。
ウルメイワシはもともとの生産量が少ないため、あまり手にすることのない煮干しかもしれません。
うるめ煮干しの特徴は、クセがなく上品な、甘くてまろやかなだし汁が取れます。
- 味噌汁
- うどんのだし汁
- そばのだし汁
かたくち煮干し(カタクチイワシ)の特徴について
かたくち煮干しは、カタクチイワシを原料にした煮干しです。
カタクチイワシは生産量がもっとも多いため、一般的に流通している煮干しです。
ですので、主婦が一番お世話になる煮干しと言えます。
逆をいえば、良いものも悪いものも混ざって出回っている商品ともいえます。
煮干しの選び方のポイントは後述しますが、形が整っているものや、お腹が割れていないものなどが選ぶ際のポイントとなります。
- 味噌汁
- うどんのだし汁
- そばのだし汁
トビウオの煮干し(通称アゴ)の特徴について
トビウオの煮干しは、その名の通り、飛び魚(とびうお)を原料にした煮干しです。
トビウオは「アゴ」と呼ばれ、トビウオを使っただしは「あごだし」の愛称で親しまれています。
トビウオ煮干しの特徴は、生臭さが少なく、澄んでいて甘みがあり、香りが高いだし汁がとれます。
- お雑煮
- ラーメンスープ
- うどんのだし汁
下記は粉末タイプでだしパックに入った大ヒット商品↓↓
その他の煮干しの種類について
ただし、煮干しと一言で表してしまうと、イワシ以外にもたくさんの煮干しがあります。
- 鯛(タイ)の煮干し(レンコダイ)
- 鯵(アジ)の煮干し(マメアジ)
- 鯖(サバ)の煮干し
- 干しエビ
- ホタテ貝柱などなど
鯛の煮干しなんて、聞いたことも見たこともないかもしれませんが、手に入れようとすると割と高い&手に入りにくいため、使う機会はあまりなさそうですね。
使用者の感想としては、「クセがない、しお汁」という意見もあるようですが、ごはんと一緒に炊いたら鯛めしになるとのことで、お祝い事の際には購入するのもアリかもしれません!
鯵(アジ)や鯖(サバ)、干しエビ、ホタテ貝柱の情報もあるのですが、実際に使ってみてから、感想と使い方のポイントを記事にしつつ、公開して行こうと思います!
煮干しの選び方の3つのポイントについて
補足情報として、煮干しの選び方のポイントは3つあります!
- ①背中や全体の色を見る
- ②カタチが整っているか・腹があるかを見る
- ③傷がないかを見る
①背中とお腹の色を見る
煮干しの選び方の最初のポイントは、背中とお腹の色を見ることです。
お腹が銀色に近い色であり、かつ背中が青色・白色であれば良品です。
逆に、お腹が黄色や赤みがかっている煮干しはあまり良い品ではありません。
その理由は、煮干しは脂肪分が酸化することで、全体的に黄色くなってしまうからです。
赤くなる原因も、内臓の部分の脂肪分が酸化することで、赤く色がつき、苦味や臭みが強くなることを表します。
ですので、見極めのポイントとして、お腹が銀色であり、背中が青い、または白っぽい煮干しを選ぶことをオススメします。
- ①お腹が銀色であるもの
- ②背中が青色・白色のもの
※赤色や黄色がかったものはオススメしない
②カタチが整っている・腹があるかを見る
煮干し選びの第2のポイントとして、形が整っている・お腹があるか、を見ることです。
良品であれば、サイズは違っても、しっかりとサカナの形が残っており、割れがないのが特徴です。
なぜカタチが整っていて腹があるものを選ぶかというと、旨味の成分が割れた部分から抜けてしまうため、美味しいだし汁が作れなくなるからです。
通常、スーパーなどで市販されているものを見ていただければわかるのですが、お腹が割れていたり、カタチが崩れた煮干しをよく見かけます。
ですので、見極めのポイントとして、サカナの形が整っていて、割れがなく腹がある(崩れていない)ものを選ぶことをオススメします。
- ①サカナの形が残っているもの
- ②割れがなく、腹があるもの
③傷がないかを見る
煮干し選びの最後のポイントとして、全体的に傷がないか、を見ることです。
輸送や展示の際に崩れたとしても、傷だらけのものかどうか、は一目見ればわかります!
傷があるという事は、だし汁を作る際には染み込みやすいという利点はあるものの、煮干しになる段階でうま味が抜けてしまい、美味しいだし汁を作ることができません。
ですので、見極めのポイントとして、全体的に傷がないものを選ぶことをオススメします!
- 全体的に傷がないもの
※例え割れていても表面を見ればわかります
まとめ:いりこと煮干しの違いはある(特徴も違う)が、総称としては同じ意味を持っている
煮干しの総称として「いりこ」と呼ぶ地域(おもに西日本)もあれば、いりこのことも含めて「煮干し」と呼ぶ地域もある(主に東日本から北)ということ。
つまりは、煮干しと呼んでも、いりこと呼んでも同じ意味を持つということ。
細かくいうと、いりこには種類があり、大羽・中羽・小羽・かえりの4種類に分けられ、鮮度が落ちる前にすぐに茹でた高品質の煮干しであること。
- ①平子煮干し(マイワシの煮干し)
- ②うるめ煮干し(ウルメイワシの煮干し)
- ③かたくち煮干し(カタクチイワシの煮干し)
- ④トビウオの煮干し(通称アゴ)
- 鯛(タイ)の煮干し(レンコダイ)
- 鯵(アジ)の煮干し(マメアジ)
- 鯖(サバ)の煮干し
- 干しエビ
- ホタテ貝柱などなど
- ①背中やお腹の色を見る
- ②カタチが整っているか・腹があるかを見る
- ③傷がないかを見る
いりこと煮干しに違いについてのまとめは以上です。
香り良し・味良しのダシライフを満喫しましょう!